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自由利用マークについて

 

 

 平成15年2月から文化庁が中心となり、書籍やホームページの複製物の利用について予め著者がその利用範囲について表明するための「自由利用マーク」が制定されました。
 筆者が調べた範囲では、2003年4月末時点でこのマークが付けられている書籍は残念ながら発見することができませんでしたが、ホームページ上に付けられている事例がいくつかありました。
 平成15年1月25日付けのY新聞や、A新聞の記事を読む範囲では、書籍というよりはどちらかというとホームページに適用されるマークのように報道されていますが、実際にはこのマークは、著作権者があらかじめアクセス権を表明できるようにするのが目的であり、ホームページにのみ利用が限定されている訳ではないようです。
 実際に文化審議会著作権分科会契約・流通小委員会の議事録(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/014/021204.htm)を読むと、ホームページの他書籍や雑誌を含めた広い意味の「著作権」を想定しているようです。
 制定されたマークの種類について文化庁のHPを見ると、「完全自由利用マーク」、「そのまま無料提供利用マーク」、「障害者向け利用マーク」、「学校教育での利用マーク」の4種類が用意されています。
 バリアフリー出版ともっとも関係の深い「障害者向け利用マーク」の摘要範囲となる障害者の定義は、「身体障害、知的障害又は精神障害があるため、長期にわたり日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者(てんかん及び自閉症を有する者並びに難病に起因する身体又は精神上の障害を有する者であって長期にわたり生活上の支障がある者を含む)」(障害者基本法第2条でいう「障害者」)となっています。
 2月上旬から文化庁のHP上でこのマークの配布をはじめていますが、この4種類のマークがどの程度のホームページや書籍、雑誌などに適用されるかはまだ未知数です。
 視覚障害者向けに音訳版の図書を政策する場合、著作権者の許諾が必要となりますが、ほとんどの著作権者は福祉目的の複製活動に理解を示し、許諾をしてくださいます。
 ですからはじめから本に上記のような「福祉目的の著作権一部開放」の趣旨が明記されていれば、煩雑な手続きが改善されるので、その本が出版された段階ですぐに録音図書や大活字版が作成できるようになり、利用者は出版後速やかに本を読めるようになるのです。
 今までにも視覚障害者向けの朗読テープ化や大活字化について事前許諾を表明するための「EYEマーク運動」が民間の「EYEマーク・音声訳推進協議会」を中心に過去10年に渡り実践されて来ましたが、文化庁が呼びかけてこのような取り組みをしてくだされば、その波及効果もより大きく、社会に広がっていってくれると思います。
 そしてこの「自由利用マーク」がホームページだけでなく、今後出版される1冊でも多くの書籍や雑誌に付けられるようになっていってくれるよう心から願っています。
 

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