| 私の4冊目の著書「見えない目で生きるということ」の出版では一般文字版と他、マルチメディアDAISY版(CD−ROM)についてもISBNを付け、一般の書籍流通に乗せていただきました。
この方法は一般文字版を出版してくださっている明石書店の全面的なご協力をいただき、マルチメディアDAISY版についても同社の出版物として取り扱っていただけるようになったのです。その結果一般文字の書籍のような通常ルートによる書店への委託配本は行われないものの、全国にある約2万店ともいわれる書店からの客注に対応できるようになりました。またISBNを付けたことにより、BK1やアマゾン、紀ノ国屋等の書店等が解説しているホームページ上からも一般文字版と同じようにDAISY版を注文できるようになったのです。
今までのバリアフリー出版では、拙著「盲導犬アンドリューの一日」でのみ試験的に地方小出版流通センターを通じて取り扱っていただいた実績はあるものの、「見えない目で生きるということ」では大手流通の東販や日販でも通常の書籍と同様に取り扱っていただけることになりました。
ここで蛇足ながらマルチメディアDAISY版とは何かについて少しご紹介しておくと、DAISY(Digital Accessible
Information System「デジタルアクセシブル情報システム」)とは、従来のカセットテープに変わりCDに録音するシステムで、音質の劣化がなく、1枚のCDに約50時間と長時間の録音が可能であり、章や節、ページ単位での移動や目次からのジャンプ、文字列の検索が容易にできるのが特徴です。また今回発行したマルチメディアDAISY版は、録音された音声だけでなく、パソコンの画面上に本文や表紙、文中に使用した写真等も同時に表示できるのが特徴で、視覚障害者や高齢者はもちろん、いままで通常の方法による読書が困難とされてきた学習障害者や知的障害者、本をめくることのできない重度の身体障害者の方でも、その方専用に開発された特殊なキーボードやマウス、ジョイスティックやアイコンタクト(瞬きでパソコンを操作する方法)、フットスイッチ、ボイスコマンド、タッチパネル等の操作で読書を楽しんでいただくことができます。
このマルチメディアDAISY版の出版により、私たち通常の方法による読書の困難な人全てに対応できる書籍が一般の書店はもちろんインターネットを利用したネットショッピングでも購入できるようになりました。これは私たち読書障害者にとって究めて画期的なことであり、今後出版される書籍についても、是非マルチメディアDAISY版のようなすべての人にとってアクセシビリティーの高い出版物が増えてくれればいいと願っております。
ただ現状では点訳版や音訳版(朗読テープ)・大活字版については関係各社からの直販のみです。今後は是非点訳版等についても、書店等で販売していただけるような方法についても是非検討していければと考えています。
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