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バリアフリー出版の結果

 

 

 私が2001年六月に出版した「二人五脚」の一般文字版の初版は、5,500部でした。そしておかげさまで、2001年11月時点ですでに重版されています。バリアフリー同時出版を実現するに当たり、まず原本の出版元が心配したのが、他の媒体を製作することにより、原本の売り上げに影響があるのではないかということでした。やはり出版社側の心配として、点字のように確実に視覚障害者のみが使用する媒体であれば原本と競合しないため問題ないものの、朗読テープ版やマルチメディアDAISY版、大活字版を出版することで、一般の方が一般文字の本を買わずに他の媒体を購入してしまうのではないかという懸念があったのです。私は「バリアフリー出版」を実現するために、出版社の2次出版の許可を取る必要があったのですが、この説得には皮肉にも一般文字の本に比べ他の媒体が価格的にかなり高価になってしまう実状や、今までに製作された他の本の売り上げ状況からいかに売れないかを説明し、健常者の方があえて他の媒体を購入する可能性はほとんどないことをお話しし説得する必要がありました。
 このたびの二人五脚の2001年10月20日時点での他の媒体の売り上げ状況は、点字版で37セット、音訳版(朗読テープ)で61セット(図書館等35、個人23、書店3)、マルチメディアDAISY版(CDデジタル録音図書)で60枚程度、もっとも売り上げの多い大活字版でも200セット程度に過ぎません。一般文字版の数に比べれば、実に二桁以上違うのです。
 またバリアフリー出版第七段として2002年11月に実践した「盲導犬アンドリューの一日」の発売3ヶ月ごの各媒体の売り上げ戸数についても併せてご紹介すると、一般文字版の初版は2,000部でしたが、おかげさまで2003年1月末時点ですでに重版されています。その他の媒体については、マルチメディアDAISY版で訳40枚、点訳版は9冊(内個人3冊)、音訳版(朗読テープ)で36点(内個人4点)、FDブック版(フロッピーディスク)が7枚(内個人4枚)、大活字版は1冊(公共機関のみ)という結果でした。
 「盲導犬アンドリューの一日」についても、二人五脚同様私なりにかなりPRに勤めたつもりでしたが、正直あまりのふがいない結果に言葉もありません。
 この結果でも点字や音訳の世界では充分ベストセラーなのですから、一般文字版の全く脅威になることはありません。それどころか、バリアフリー出版を行うことで互いに共同で宣伝できるメリットや、マスコミ等でも取り上げていただける可能性も広がるわけですから、原本の出版社にとってプラスに働くことはあってもデメリットはあまり無いと思います。

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