私は今まで主に盲導犬に関する書籍を中心に執筆活動を行ってきましたが、最近学校等で講話を行っていて盲導犬を知ってもらう以前に視覚障害者の日常生活について知ってもらわなければ本質的な意味での盲導犬への理解にはつながらないのではないかと感じるようになりました。
もちろん今まで行ってきた盲導犬について正しい理解をしていただけるように働きかけていくことも重要ですが、盲導犬はあくまでも視覚障害者の日常生活を助けるための1手段にすぎず、視覚障害者への理解無くしては盲導犬についてもとうてい理解し得ないのです。そこで今回の本では、視覚障害者の暮らしや接するためのヒントについてまとめ、見えない目で生きるとはどのようなことなのかについて一般の健常者の方にもできる限りわかっていただけるように解説した本を執筆しました。
また今回の「見えない目で生きるということ」のバリアフリー出版では、出版社自らが読者向けのサービストしてテキストデータの提供についてご協力をいただきました。
出版社が低コストでできるバリアフリー出版は、いくつか考えられるとは思いますが、もっとも簡便な方法は原本のテキストデータを読者やバリアフリー出版を行っている関係各社の方にご提供していただくことだと思われます。
実際のところ、著者の方や出版社の方も「バリアフリー出版」の意義はご理解いただけたとしても、通常の出版社が点字版や音訳版(朗読テープ)・マルチメディアDAISY版・大活字版等を出版していただくのは現状では少し難しいかもしれません。そこで、今年の2月に文化庁が制定した「自由利用マーク」を採用し、一般の活字による読書の困難な人の利用について事前に許可しておいていただく方法も考えられると思います。また一歩進んだ形として、参考資料のように、明石書店や大活字等一部の出版社の書籍で採用されているような、原本の奥付等にデータ提供の意志表示をお願いできれば本当に助かります。
テキストデータの提供により、視覚障害者等通常の方法による読書の困難な方にもある程度自力で読書を楽しんでいただけるのではないかと考えています。
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