現在1年間に出版される本の総タイトル数は約7万冊に上り、残念ながらすべての出版物をバリアフリー出版することは物理的に見てもとうてい不可能です。そこで以下の例のように予め出版社と著者との間で交わされる契約書に、視覚障害者等通常の方法による読書の困難な方の読書に対応できるようにするため、点訳や音訳、大活字、フロッピーディスク、CD−ROM版の制作の希望があった場合には、商業出版や図書館の障害者サービスの別なく、速やかに著者及び出版社協議の上許諾する旨の文言を入れていただくことが「出版のユニバーサルデザイン」につながるのではないかと考えています。
このように著者が事前に出版社からの許諾をとっておくことにより、制作の希望があった出版物について、速やかに他の媒体の制作ができるようになります。また最初からいろいろな読者の方を想定し、あらかじめ対処できるようにしておくことが、「出版のユニバーサルデザイン化」に繋がり、結果として著者や出版社・読者のそれぞれの利益にもつながるかと思います。
契約書の例
−−−−−−−−−契約書の例−−−−−−−−−第丸条(二次的使用)
1 本契約有効期間中に、本著作物が翻訳・映画・放送・その他二次的に使用するために第三者よりその旨の申込みがあった場合、甲および乙は、いずれかの相手方に通知をするものとし、その処理および取り扱いについて協議をし決定する。
2 本契約有効期間中に、第三者から本著作物をデジタル化する旨の申込みがあった場合、甲および乙は、いずれかの相手方に通知をするものとし、その処理および取り扱いについて協議をし決定する。
3 甲および乙は、前2項にかかわらず本著作物を基とした視覚障害者や高齢者等通常の方法による読書の困難な方向けの下記の利用については、甲は事前に乙の承諾のもとに、次の利用をすることができるものと合意する。
(1)「点字本」および「コンピュータ・ソフトを利用した点訳」。
(2)第1条により設定された乙の出版権にかかわらず、甲は「大活字本」「DAISYシステムによるCD−ROM」「朗読テープ(CDを含む)」「FDブック(フロッピーディスク)」を本著作物の二次出版として出版することができる。
(3)前号により甲が二次出版する場合は、その発行の様態および発行部数等について甲は乙にその詳細を通知するとともに、甲と乙の出版権使用の条件について協議するものとする。
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