私がこのたびの同時出版で特にこだわったのが、マルチメディアDAISY版の発行でした。私たち視覚障害者にとって、録音図書は点字図書と並んで大切な読書の手段ですが、DAISY(Digital
Accessible Information System「デジタルアクセシブル情報システム」)のとは、従来のカセットテープに変わりCDに録音するシステムで、音質の劣化がなく、1枚のCDに約50時間と長時間の録音が可能であり、章や節、ページ単位での移動や目次からのジャンプ、文字列の検索が容易にできるのが特徴です。また今回発行したマルチメディアDAISY版は、音声だけでなく、パソコンの画面上に本文や表紙、文中に使用した写真等も同時に表示できるのが特徴で、視覚障害者はもちろん、いままで通常の方法による読書が困難とされてきた学習障害者や、本をめくることのできない重度の身体障害者の方でも、特殊なキーボードやマウス、ジョイスティックやアイコンタクト(瞬きでパソコンを操作する方法)等で読書を楽しんでいただけるということにあります。特にマルチメディアDAISY版については、今まで研究段階であり、私の著書が市販される初めてのケースとなりました。
またこのたびのDAISY版発行にあたり、利用者の利便性を考え、パソコンデマルチメディアDAISY版を利用するためのソフト「LPプレイヤー」の同梱にもこだわりました。
LPプレイヤーは日本障害者リハビリテーション協会のホームページノーマネット上からも無償でダウンロードすることができますが、ファイルサイズが14MB以上もあり、現状では誰でもがインターネットを自由に利用できる環境にないため、リハ協側の説得を行いました。
その結果、LPスタジオプラス(マルチメディア版DAISYの書籍を作るためのソフトウェアー)の販売代理店に一定のライセンス料を支払うことで、CD−ROM内に同梱することができることになりました。
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