私はこの本の一般文字版についても、いくつかのこだわりがありました。まず本の活字を普通の図書に比べやや大きめにした他、ルビを増やしてだれにでも読みやすいようにしています。また表紙と裏表紙に点字と点図を立体印刷し、どなたでも点字に直接触れていただけるようにしています。点字は透明な樹脂で印刷されているため、一般の健常者の方が目で見て内容を把握するための通常の表紙を損なうことなく、指先でも触れられる「共用品」をめざしました。
点字表示の内容は、表にはタイトルと著者名、それに出版社名を印刷している他、点図も廃しています。この点図は盲導犬とその使用者の男性を横から見た形で図案かしたもので、点図を担当した「ブレイルコム」との間で、あまり締め切りまで時間がないというのに3回もやりとりをし、訂正作業を依頼しました。また裏表紙には、本書が五媒体によるバリアフリー同時出版の試みを実践していることを点字で表示しました。
私は健常者も視覚障害者も同じ立場でこの点図に触れ、その内容を理解してもらえるようにこだわりました。
そして私は最後には点図の印刷にまで立会い、最初に表紙に触れるモニターにまでなってしまいました。
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